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研修医が燃え尽きる前に知っておきたい!燃え尽き症候群を防ぐストレス対策と仕事満足度の高め方
【燃え尽き症候群とは?原因と症状を知ろう】
医師として働き始めたばかりの研修医の皆さんは、日々の多忙な業務と責任の重さに直面していることでしょう。そんな中、気をつけたいのが「燃え尽き症候群(バーンアウト)」です。これは、慢性的なストレスにさらされることで心身が消耗し、仕事へのやる気や喜びを感じられなくなる状態を指します。
バーンアウトには、主に3つの症状があります。ひとつは「情緒的消耗感」です。これは、仕事に取り組むエネルギーが尽きてしまい、何をするにも疲れきっている状態を指します。次に「脱人格化」、つまり患者さんや同僚に対して冷淡になり、共感できなくなること。そして「個人的達成感の低下」といって、自分の仕事に価値を感じられなくなることです。
特に救急医療の現場では、患者対応の多さや緊急性の高い判断を求められるため、精神的な負荷が非常に高くなります。今回紹介する研究でも、救急医療従事者は他の職種に比べて高いバーンアウト傾向を示しており、特に「情緒的消耗感」が仕事満足度を大きく左右する要因として挙げられています。
【仕事満足度がカギ!ストレスとどう向き合うか】
燃え尽き症候群を予防する上で、重要なのが「仕事満足度」を高めることです。実は、自分の仕事に満足している人は、燃え尽きにくいというデータが出ています。逆に言えば、仕事にやりがいを感じられなくなった時こそ、燃え尽きのサインかもしれません。
研究によると、「年収」や「家庭の経済状況」が良いと、仕事満足度が高くなる傾向があります。ですが、これはコントロールが難しい要素でもあります。それよりも注目すべきは「感情的な疲労感の軽減」です。たとえば、休憩時間をしっかり取る、同僚と悩みを共有する、時には指導医に相談するなど、身近な工夫が効果的です。
また、「仕事に意味を見出せるか」も満足度に直結します。忙しい中でも「この患者さんの命を救えた」「家族に感謝された」など、小さな成功体験を意識して振り返ることで、達成感を得ることができます。
【燃え尽きないために今日からできる3つの工夫】
では、研修医の皆さんが今日から始められるバーンアウト予防の具体策を3つご紹介します。
1つ目は、「感情を無視せずに、正直になること」です。「疲れた」「つらい」と感じたら、自分を責めるのではなく、まずその感情を認めましょう。メモに書き出すだけでも気持ちが整理され、冷静になれることがあります。
2つ目は、「小さな達成感を積み重ねること」です。どんなに忙しくても、一日の終わりに「今日は〇〇ができた」と1つでも思えるようにしましょう。積み重ねが自信になります。
そして3つ目は、「相談できる環境を持つこと」です。指導医、同期、看護師さんでも構いません。誰かに話を聞いてもらうだけで、悩みが軽くなることは多いものです。
研修医という立場は、責任感が強い分だけ、つい無理をしてしまいがちです。でも、医師として長く働き続けるためには、自分の心と身体を守ることも仕事の一部です。どうか無理をせず、自分を大切にしながら、日々の医療に向き合ってください。
【参考論文】
Tarcan M, Hikmet N, Schooley B, Top M, Tarcan GY. An analysis of the relationship between burnout, socio-demographic and workplace factors and job satisfaction among emergency department health professionals. Applied Nursing Research. 2017;34:40-47.
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