【食事制限だけ？運動だけ？最も効果的な減量法は"両方"だった】

 

肥満は糖尿病や高血圧、心臓病、そして関節への負担など、さまざまな健康リスクを高めます。そこで注目されているのが、効果的な減量方法です。

 

最近の研究では、「食事制限」「運動」「その両方を組み合わせた方法」のどれが最も体重減少に効果的かが明らかになりました。

 

2014年に発表された食事制限ダイエットの系統的レビューによると、短期間（3〜6か月）では「食事制限のみ」でも「運動と食事の併用」でも減量効果は大きな差が見られませんでした。しかし、1年以上の長期的な視点で見ると、運動と食事を組み合わせたプログラム（BWMP: 行動型体重管理プログラム）が、最も大きな減量効果を示しました。

 

特に、「運動だけ」と比較した場合、併用プログラムでは3〜6か月で約5.3kg、12か月以降では約6.3kgもの体重減少が確認されています。

 

つまり、ダイエットの成功には「食事制限」と「運動」の両方を取り入れることが非常に効果的**なのです。

 

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【膝の痛みに悩む高齢者に朗報！減量と運動の組み合わせが効果大】

 

もう一つの注目すべき研究が、2004年に行われた「ADAPT試験」（減量と運動）です。この研究では、膝の痛みに悩む60歳以上の肥満・過体重の高齢者316人を対象に、以下の4つのグループに分けて比較しました。

 

1. 通常の生活（健康教育）

2. 食事制限のみ

3. 運動のみ

4. 食事制限と運動の併用

 

18か月後、最も身体機能や痛みの改善が見られたのは、やはり「食事制限＋運動」の併用グループでした。

 

具体的には、以下のような効果が得られました。

 

身体機能の自己評価が24％改善

6分間歩行距離が約62メートル向上

階段昇降時間が平均2.5秒短縮

WOMACスコア（膝の痛み評価）が30％改善

平均5.7％の体重減少

 

一方、「食事制限のみ」や「運動のみ」では、こうした機能改善は限定的であり、痛みや可動性の改善も併用群ほどではありませんでした。

 

このことから、高齢者においても「食事＋運動」の組み合わせは、体重減少だけでなく、日常生活の質の向上にも寄与することが明らかになっています。

 

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【なぜ"運動と食事"の両方が必要なのか？医学的な理由】

 

それでは、なぜ「運動と食事制限の併用」がこれほど効果的なのでしょうか？

 

その理由は、減量に関わるエネルギー収支の両側面に働きかけるからです。

 

食事制限は、摂取カロリーを減らすことで体脂肪を減らします。

運動は、消費カロリーを増やすだけでなく、筋肉量の維持や基礎代謝の低下を防ぎます。

 

また、運動は関節周囲の筋力を高め、姿勢や動作の安定性を改善するため、膝の痛みなど関節の症状も軽減されることが分かっています。

 

さらに、心理的な観点からも運動はストレス軽減や気分改善に効果があり、ダイエット継続のモチベーション維持にもつながります。

 

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【まとめ】

 

近年の研究結果を踏まえると、ダイエットで確実に成果を出したい方、特に中高年以降の方や膝の痛みに悩む方には、「運動と食事制限の併用」が最も効果的な方法です。

 

体重を減らすだけでなく、痛みを和らげ、歩く力を取り戻すこともできるというのは、大きな希望ではないでしょうか。

 

無理な方法ではなく、ほどよい食事制限"と"継続できる運動を組み合わせることが、健康的な減量の近道です。

 

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 【参考文献】

 

1. Johns DJ, et al. Diet or Exercise Interventions vs Combined Behavioral Weight Management Programs: A Systematic Review and Meta-Analysis. *J Acad Nutr Diet.* 2014;114(10):1557-1568. DOI:10.1016/j.jand.2014.07.005

 

2. Messier SP, et al. Exercise and Dietary Weight Loss in Overweight and Obese Older Adults With Knee Osteoarthritis: The Arthritis, Diet, and Activity Promotion Trial. *Arthritis Rheum.* 2004;50(5):1501-1510. DOI:10.1002/art.20256