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痩せすぎは美しさじゃない!若い女性に忍び寄るダイエットの健康リスク
「痩せすぎは美しさじゃない!若い女性に忍び寄るダイエットの健康リスク」
【「もっと痩せたい」が招く危険信号とは?若い女性の健康を守るために】
「あと3キロ痩せたい」「もっと細くなりたい」
そんな言葉を、若い女性の間でよく耳にします。
しかし、過度なダイエットは本当にあなたの健康や未来を守ってくれるのでしょうか?
オーストラリアで実施された大規模な調査によると、痩せすぎた女性は、実は太りぎみや肥満の女性と同じくらい、あるいはそれ以上に健康リスクが高いことが明らかになりました。
見た目の「細さ」ばかりを追い求めることは、健康を犠牲にしているかもしれません。
【痩せすぎによる健康被害:月経異常・うつ・痛みが増加】
調査は1970年代生まれと1990年代生まれの女性を対象に、BMI(体格指数)と健康状態の関係を比較しました。
BMIとは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値で、「18.5未満」は痩せ型とされます。
この痩せ型の女性に、次のような症状が多く見られました。
- 月経異常(不順・重い生理痛・緊張)
痩せすぎると女性ホルモンのバランスが崩れ、月経周期が乱れることがあります。将来の妊娠にも影響する恐れがあります。 - うつや気分の落ち込み
ホルモンの不安定さに加え、エネルギー不足によって心のバランスが崩れる傾向があります。 - 腰痛・肩こり・慢性的な疲労感
筋肉量が少なくなることで、身体を支える力が弱くなり、痛みを感じやすくなります。 - 免疫力の低下・体調不良
過度なダイエットにより、体が栄養不足となり、風邪をひきやすくなったり、回復力が落ちたりすることもあります。
さらに驚くべきことに、痩せすぎの女性は自己評価による健康状態も「不調」と感じている割合が多いという結果でした。
【「細い=キレイ」という思い込みに注意】
近年はSNSの影響で「映える体型」「モデルのような体型」への憧れが強まり、多くの若い女性が理想体型を追い求めています。
しかし、この「細い=キレイ」という価値観は、必ずしも健康的でも現実的でもありません。
実際の医療現場でも、無理なダイエットが原因で以下のようなケースが増えています。
- 20代で月経が止まり、不妊のリスクを抱える女性
- 貧血やめまいで日常生活に支障が出る学生
- 摂食障害によって心身ともに疲弊する若年層
誰かの理想に合わせるために自分を傷つけるのではなく、「自分にとっての健康的な体型」を知り、大切にすることが何よりも重要です。
【健康美を目指すために今できること】
過度なダイエットから自分を守るために、今日からできることをまとめてみました。
1. 体重ではなく「体調」に目を向ける
・毎日元気に過ごせているか
・月経は順調か
・肌や髪の調子はどうか
「体の声」に耳を傾けることが、最も信頼できる健康のバロメーターです。
2. 食べることを我慢しない
栄養のバランスを意識したうえで、「食べること=悪いこと」と考えないようにしましょう。タンパク質やビタミン、炭水化物も大切です。
3. 自分の体を肯定的に受け入れる
「太ももが太い」「お腹が出ている」といった否定ではなく、「毎日支えてくれてありがとう」と感謝する気持ちが大切です。
4. 理想像をSNSではなく医療に求める
SNSの加工された画像ではなく、専門家による情報や指導に耳を傾けましょう。ダイエットのゴールは見た目よりも、未来の健康です。
【まとめ:美しさの本質は、健やかであること】
この研究は、痩せすぎた女性ほど体調を崩しやすく、将来にわたる健康リスクも高くなることを示しています。
「あと少しだけ痩せたい」「もっと細くなりたい」
そんな気持ちは自然なものかもしれません。
でも、「やせすぎて体調が悪くなるくらいなら、今のままでいい」
そう思える自分でいられることが、もっと素敵で、もっと美しいことではないでしょうか。
すべての女性が、健康的で自分らしい美しさを大切にできますように。
引用論文
Dobson AJ, Liang C, Mishra GD. Generational differences in associations between health conditions in young women and BMI categories. Obesity (Silver Spring). 2025;1-9. doi:10.1002/oby.24304
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