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65歳以上の女性は要注意!骨粗鬆症スクリーニングの重要性と最新推奨ガイドライン
【はじめに】
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、加齢とともに骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
特に65歳以上の女性では、骨密度の低下が進み、転倒による骨折のリスクが高くなります。
今回ご紹介するのは、アメリカの予防医療専門機関「米国予防医学専門委員会(USPSTF)」による最新の推奨ガイドラインです。
このガイドラインでは、65歳以上のすべての女性に対し、骨粗鬆症のスクリーニング(検査)をすすめています。
この記事では、なぜこの年齢の女性に検査が必要なのか、どのような検査が行われるのか、そして予防や治療の方法まで、3つの観点からわかりやすく解説します。
【観点①:なぜ骨粗鬆症のスクリーニングが重要なのか】
骨粗鬆症による骨折は、生活の質を大きく下げる要因となります。
骨折後には寝たきりになる人も多く、死亡率の上昇にもつながるのです。
特に股関節(こかんせつ)の骨折では、40〜60%の人が骨折前の生活に戻れないというデータがあります。
アメリカの調査によると、65歳以上の女性の約27%が骨粗鬆症と診断されています。
それだけ多くの女性が骨折リスクを抱えており、早期に発見・対応することが重要なのです。
USPSTFは、「中等度の確実性をもって、65歳以上の女性に骨粗鬆症スクリーニングを行うことは中程度の純利益がある」と結論づけました。
【観点②:骨粗鬆症のスクリーニング方法と対象者】
スクリーニングの主な方法は、「DXA(デキサ)検査」と呼ばれる骨密度測定です。
この検査は、腰椎や大腿骨の骨密度をX線で測定し、骨の強さを評価します。
検査は低被ばくで痛みもなく、短時間で済むのが特徴です。
また、骨折のリスクを予測するための「FRAX(フラックス)」というツールも併用されます。
これは、年齢や体重、喫煙歴、家族の骨折歴などから10年以内の骨折確率を計算するものです。
65歳未満の閉経後女性であっても、リスク要因があればスクリーニングの対象となります。
具体的なリスク要因には、低体重、喫煙、過度の飲酒、親の股関節骨折歴などがあります。
【観点③:骨粗鬆症の予防と治療法】
骨粗鬆症の予防には、適度な運動とバランスの取れた食生活が欠かせません。
特に、カルシウムとビタミンDの摂取が大切です。
ただし、サプリメントによる摂取は効果が不十分との報告もあり、食事からの摂取が推奨されています。
スクリーニングで骨粗鬆症と診断された場合は、医師による薬物治療が検討されます。
代表的な薬は「ビスホスホネート系薬剤」で、骨の吸収を抑え、骨折リスクを減らす効果があります。
この薬により、背骨の骨折は最大で約50%、股関節の骨折は約30%減少するという研究結果もあります。
一部の薬には稀ですが副作用(顎骨壊死や大腿骨非定型骨折など)が報告されているため、医師と相談して適切な治療を選ぶことが重要です。
【まとめ】
・骨粗鬆症は高齢女性に多く、放置すると深刻な骨折を引き起こす可能性があります。
・65歳以上のすべての女性に対して、定期的な骨密度検査が推奨されています。
・検査は簡便かつ安全で、必要に応じて予防や治療の選択肢が用意されています。
・早期発見・早期治療により、健康寿命の延伸が期待できます。
65歳を迎えた女性の皆さま、ご自身やご家族のためにも、ぜひ一度骨粗鬆症のスクリーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
引用文献
US Preventive Services Task Force. Screening for Osteoporosis to Prevent Fractures: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement. JAMA. Published online January 14, 2025. doi:10.1001/jama.2024.27154
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