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膝の痛み・スポーツ障害にPRPは有効?専門医が徹底解説!
膝の痛み・スポーツ障害にPRPは有効?専門医が徹底解説!
【PRP療法とは?その基本を理解しよう】
PRP(多血小板血漿)療法は、患者自身の血液を利用して組織の修復や再生を促す治療法です。血液中の血小板を濃縮し、成長因子を豊富に含んだ血漿を患部に注射することで、細胞の増殖や修復が促されます。特に整形外科領域で注目されており、変形性関節症やスポーツ障害などの治療に用いられています。
PRPの作成方法は、まず患者の血液を採取し、遠心分離機にかけることで血小板を濃縮させます。この濃縮された血小板を関節や腱などの治療が必要な部位に注射することで、組織の修復を促します。ただし、PRPの成分は作成方法によって異なり、血小板濃度や白血球の有無によって効果が変わる可能性があります。
【PRP治療の効果と科学的エビデンス】
PRPは特に膝の変形性関節症(OA)やスポーツ障害に対して使用されることが多く、いくつかの研究で効果が報告されています。たとえば、血小板濃度が高いPRPを用いることで、膝の痛みが軽減し、関節の可動域が改善される可能性が示唆されています。
しかし、PRPの効果については意見が分かれており、白血球を含むタイプ(LR-PRP)と白血球を除去したタイプ(LP-PRP)では、異なる治療効果が報告されています。白血球を含むPRPは炎症反応を引き起こす可能性があるため、炎症が関与する疾患では適さない場合があります。一方で、白血球を除去したLP-PRPは炎症を抑えながら治癒を促進すると考えられています。
現在の研究では、どちらのPRPが優れているかは明確にはなっておらず、患者の症状や病態に応じた適切なPRPの選択が重要であるとされています。
【今後のPRP治療の課題と展望】
PRP療法の大きな課題は、その標準化が進んでいない点です。PRPの作成方法や濃度が統一されていないため、研究結果にばらつきがあり、どの方法が最も効果的なのか明確ではありません。そのため、今後の研究では、PRPの分類や適切な使用条件を明確にすることが求められています。
また、PRP以外にもPRGF(成長因子を多く含む血漿)やPRF(血小板が凝固したゲル状の製剤)などの血液由来製剤が開発されており、それぞれ異なる特徴を持っています。今後は、これらの治療法を比較し、どの疾患にどの製剤が適しているのかを明確にすることが重要です。
PRP療法は、手術を回避したい患者や、自然治癒力を最大限に活かしたい人にとって有望な選択肢となり得ます。ただし、治療効果には個人差があり、十分な情報を得た上で医師と相談することが重要です。今後の研究が進むことで、より効果的で標準化されたPRP治療が提供されることが期待されます。
参考文献 Ragni E, Taiana MM, Čengić T, de Girolamo L, Ostojić M. PRP or not PRP: is the debate surrounding platelets‐based blood‐derived products evolving? Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2025;1-5. https://doi.org/10.1002/ksa.12655
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