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日本発のコンドリアーゼが世界へ!腰椎椎間板ヘルニア治療の新たな選択肢
【椎間板ヘルニアに新たな光!コンドリアーゼ治療が生活の質を向上】
腰椎椎間板ヘルニアは、多くの人が悩む腰痛や坐骨神経痛の原因の一つです。従来の治療法としては、保存療法(安静、理学療法、薬物療法)や手術がありますが、最近では「コンドリアーゼ(SI-6603)」という酵素注射が注目を集めています。アメリカで行われた第3相臨床試験の結果、コンドリアーゼは痛みの軽減だけでなく、患者の生活の質(QOL)の向上にも寄与することが明らかになりました。
【コンドリアーゼとは?その働きと効果】
コンドリアーゼは、椎間板の中心部(髄核)に含まれるコンドロイチン硫酸を分解する酵素です。これにより、椎間板の膨らみが減少し、神経への圧迫が軽減されることで、痛みの改善が期待できます。
この薬剤は日本で開発され、すでに臨床応用されており、健康保険適応となっています。日本国内の臨床試験により安全性と有効性が確認され、2018年に承認されました。特に、日本では「Subligamentous Type」と分類される椎間板ヘルニアが適応となっています。今回のアメリカでの臨床試験は、日本以外で初めて実施されたものであり、その有効性が改めて示されました。
今回の研究では、腰椎椎間板ヘルニアによる放散痛(坐骨神経痛)を持つ患者352名を対象に、コンドリアーゼ1.25単位を1回注射する群と、プラセボ(偽薬)を注射する群に分け、52週間にわたり経過を観察しました。その結果、コンドリアーゼを投与された患者は、痛みの軽減だけでなく、身体機能や日常生活の質が向上したことが確認されました。
【患者のQOL(生活の質)がどう変わったのか?】
この研究では、健康関連QOLの指標として以下の評価法を用いました。
- **EQ-5D-5L**(健康状態を5つの側面で評価)
- **SF-36**(身体的・精神的健康の評価)
- **患者および医師の総合的な改善度評価(PGIC/CGIC)**
- **労働生産性と活動障害評価(WPAI)**
結果として、特に以下の点でコンドリアーゼ群がプラセボ群よりも優れていました。
1. **自己管理能力の向上**:EQ-5D-5Lの「自己管理」項目で、コンドリアーゼ群はプラセボ群よりも有意に改善が見られました。
2. **痛み・不快感の軽減**:EQ-5D-5Lの「痛み・不快感」項目で、52週時点でもコンドリアーゼ群の方が改善度が高いことが確認されました。
3. **身体機能の向上**:SF-36の身体的健康指標(PCS)において、コンドリアーゼ群が一貫してプラセボ群を上回りました。
4. **患者と医師の評価**:患者自身および医師の評価において、コンドリアーゼを投与された患者の方が「非常に改善した」と報告する割合が高かった。
5. **労働生産性の向上**:仕事や日常活動への影響を測るWPAIでは、コンドリアーゼ群が「仕事中のパフォーマンス低下」や「欠勤率」の改善が認められました。
【今後の展望とまとめ】
これまで椎間板ヘルニアの治療法として、手術をしない選択肢は限られていました。しかし、コンドリアーゼは一度の注射で痛みを軽減し、生活の質を向上させる可能性を持つ新しい治療法として注目されています。
今回の研究は、コンドリアーゼの有効性を明確に示すものであり、特に手術を避けたい患者にとって有力な選択肢となるでしょう。今後さらに長期的な効果や安全性に関する研究が進めば、より多くの患者がこの治療の恩恵を受けられる日が来るかもしれません。腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方は、一度整形外科専門医を受診し、治療方針について相談するとよいです。
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**参考文献**
Macadaeg KE, Kim KD, Gupta PB, et al. Impact of Condoliase on Health-Related Quality of Life in Participants With Radicular Leg Pain Associated With Lumbar Disc Herniation: Results From a United States Phase 3 Clinical Trial. Spine. 2025.
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