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Cobb角20°以上の変性側弯症に最小侵襲手術は有効か?最新研究の結果を解説
Cobb角20°以上の変性側弯症に最小侵襲手術は有効か?最新研究の結果を解説
【最小侵襲腰部手術とは?変性側弯症患者における有効性】
近年、腰部脊柱管狭窄症の治療として最小侵襲(MI)腰部除圧術が注目されています。特に、変性側弯症(DS)を伴う患者にも適用されるケースが増えています。しかし、Cobb角が20°を超えるような重度の変性側弯症患者において、この手術の効果はどの程度なのでしょうか?
最新の研究では、MI腰部除圧術を受けた患者の臨床転帰を分析し、その効果を評価しました。その結果、変性側弯症患者の改善度は、非側弯症患者に比べて限定的であることが判明しました。
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【手術の効果と限界:改善が見られる患者とそうでない患者】
この研究では、Cobb角20°以上の変性側弯症患者(DS群)と、それ以下の非側弯症患者(対照群)を比較しました。MI腰部除圧術を受けた後、患者の機能改善度をOswestry Disability Index(ODI)を用いて評価しました。
結果として、DS群では手術後1年以上経過した時点でのODIの最小臨床的重要差(MCID)達成率が45.5%であったのに対し、対照群では69.0%と大きな差が見られました(P=0.047)。また、DS群では腰痛の改善度が低く、身体機能の向上も限定的でした。
さらに、側弯症に関連した部位で除圧を行った患者は、MCIDを達成しにくい傾向がありました(オッズ比9.9、P=0.028)。これは、除圧部位が変形の影響を強く受けるためと考えられます。
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【手術の選択肢と今後の課題】
研究結果から、Cobb角20°以上の変性側弯症患者に対するMI腰部除圧術の単独適用には慎重な判断が求められることがわかりました。特に、側弯の影響が大きい部位への除圧は、期待される改善効果が得られにくい可能性があります。
今後の課題としては、
- MI手術と固定術を組み合わせたアプローチの検討
- 術前の患者選定基準の確立
- 長期的な転帰の分析
などが挙げられます。
腰部脊柱管狭窄症と変性側弯症の両方を持つ患者にとって、どのような手術方法が最も適切かを見極めるため、さらなる研究が求められています。
【引用論文】
Asada T, Simon CZ, Singh N, et al. Limited Improvement With Minimally Invasive Lumbar Decompression Alone for Degenerative Scoliosis With Cobb Angle Over 20°: The Impact of Decompression Location. Spine 2024;49:1037-1045.
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