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脊椎手術の成功率を上げる?術前リハビリ(プレハビ)の効果とは?
【脊椎手術の成功率を上げる!プレハビリの重要性】
手術前の準備が術後の回復を左右する
脊椎手術を受ける予定のある方にとって、手術前の準備がどれほど大切かご存じでしょうか?「プレハビリテーション(プレハビ)」とは、手術の前に体を整えることで、術後の回復をスムーズにする方法です。
近年、研究によってプレハビが術後の痛みを減らし、リハビリ期間を短縮し、患者さんの満足度を向上させることがわかってきました。今回は、プレハビの効果や具体的な方法について、詳しく解説します。
【プレハビリがもたらす3つの効果】
1. 術後の回復が早くなる
手術をすると、一時的に筋力が低下し、体力が落ちてしまいます。しかし、手術前に適切な運動を行うことで、術後の筋力低下を最小限に抑え、回復を早めることができます。
研究によると、術前に背筋を強化した患者さんは、術後の痛みが軽減し、日常生活への復帰が早かったという結果が出ています。特に、背筋の持久力を高めることが重要です。
2. 術後の痛みが軽減される
術後の痛みは、多くの患者さんが不安に感じるポイントの一つです。プレハビでは、運動に加えて「痛みの管理」について学ぶことも重要になります。
例えば、「痛みを予測し、適切に対処する方法」を知っておくことで、術後の不安が軽減され、ストレスが減ります。さらに、適切なストレッチや呼吸法を身につけることで、痛みを和らげることができます。
3. 手術の合併症リスクが低下する
手術の後、長期間ベッドで過ごすと、筋力低下だけでなく、肺炎や血栓などのリスクも高まります。プレハビでは、心肺機能を高めるトレーニングを取り入れることで、これらの合併症を予防できます。
特に、高齢の患者さんや持病を持つ方にとって、手術前の運動は非常に効果的です。少しでも体を動かし、手術後に起こりうるリスクを減らしましょう。
【今すぐできる!プレハビの具体的な方法】
1. 背筋を鍛えるエクササイズ
手術前にできる簡単な運動として、背筋を鍛えるエクササイズがあります。
- ブリッジ運動:仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる。
- プランク:腕立て伏せの姿勢を維持する。
- 軽いスクワット:無理のない範囲で行う。
これらの運動を1日10分でも続けることで、手術後の回復に大きな違いが出ます。
2. 呼吸法を学ぶ
術後の痛みを和らげるためには、適切な呼吸法を身につけることが大切です。
- 腹式呼吸:お腹を膨らませながら深く息を吸い、ゆっくり吐く。
- リラックス呼吸:4秒かけて吸い、8秒かけて吐く。
これにより、術後のストレスが軽減され、痛みの感じ方も和らぎます。
3. 術後の生活をイメージする
プレハビでは、手術後の生活を具体的に想像し、準備することも大切です。
- ベッドからの起き上がり方を練習する。
- 術後に必要なサポート(手すりや杖など)を準備する。
- 家族や医療チームと情報を共有し、術後の計画を立てる。
このように事前に準備することで、手術後の生活がスムーズになります。
【まとめ】
プレハビリテーション(プレハビ)は、脊椎手術を控えた方にとって非常に有益な準備方法です。適切な運動や呼吸法、術後の生活をイメージすることで、回復が早まり、術後の痛みや合併症のリスクを軽減できます。
これから手術を控えている方は、ぜひ医師や理学療法士と相談しながら、自分に合ったプレハビを取り入れてみてください。
参考文献 Gränicher P, Reicherzer L, Wanivenhaus F, Farshad M, Spörri J, Wirz M, Scherr J. "Supervised prehabilitation in patients scheduled for spinal surgery - a scoping review." European Spine Journal. 2025. https://doi.org/10.1007/s00586-025-08710-6
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