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·上腕骨の骨折、あなたに合った治療法は?最新研究が解説

 

  • ·上腕骨の骨折、あなたに合った治療法は?

    最新研究が解説

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【上腕骨の骨折治療、最新トレンド!RSAとORIFどちらが良い?】

上腕骨近位部(肩に近い部分)の骨折は、高齢者を中心に多く発生する骨折の一つです。この治療には「ORIF(観血的整復固定術)」と「RSA(リバース型人工肩関節置換術)」という二つの手術方法があります。近年、どちらの手術がより適しているのか、多くの研究が行われています。

今回は、最新の研究結果をもとに、それぞれの手術方法の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。


【近年の手術トレンド:ORIFは減少、RSAが増加中】

上腕骨骨折トレンド1.JPG

過去10年間(2010年〜2019年)で、上腕骨骨折の手術方法に大きな変化がありました。アメリカの大規模データベースを用いた研究によると、

  • RSAの手術件数は増加(0.1% → 3.6%)
  • ORIFは減少(13.5% → 10.1%)
  • HA(人工骨頭置換術)も減少(3.1% → 0.9%)

この変化の背景には、RSAの手術適応が広がり、高齢者にとってメリットが多いと考えられる点があります。


【RSAとORIFの違いとは?どちらが適している?】

ORIF(観血的整復固定術)とは?

ORIF画像.JPG

骨折した部分を元の位置に戻し、プレートやスクリューで固定する方法です。骨をできるだけ保存できるため、特に若い患者さんには有効です。

✅ メリット

  • 自分の骨を温存できる
  • 若い人や活動レベルが高い人に適している

❌ デメリット

  • 合併症(偽関節や骨癒合不良)が発生しやすいORIFとRSA合併症.JPG
  • RSAよりも再手術率が高い(20.3% vs 10.3%)ORIFとRSA再手術率.JPG

RSA(リバース型人工肩関節置換術)とは?

RSAメダクタ.JPG

人工関節を用いて肩の構造を再構築する手術です。特に腱板(けんばん)という肩を支える組織が損傷している人に適しています

✅ メリット

  • 合併症が少なく、再手術率も低い(10.3%)
  • 腱板が損傷していても機能回復しやすい

❌ デメリット

  • 自分の骨を温存できない
  • 90日以内の救急受診率(20.0%)や再入院率(12.9%)がORIFより高い

【どちらの手術が適している?患者ごとの選択ポイント】

肩骨折高齢者.JPG

以下のポイントを考慮し、患者さんごとに適切な手術を選択することが重要です。

ポイント

ORIFが適している場合

RSAが適している場合

年齢

若い(60歳以下)

高齢(70歳以上)

活動レベル

高い

低い

骨の状態

良好

脆弱(骨粗鬆症など)

腱板の状態

健康

損傷あり

最近の研究では、「高齢者で腱板が損傷している場合はRSAの方が良い」という結果が出ています。一方で、骨がしっかりしている若年者ではORIFが推奨されることが多いです。


【まとめ:あなたに合った治療法を選ぼう】

高齢者肩挙上リハ.JPG

近年のデータから、RSAの手術件数が増加し、ORIFの件数は減少していることが分かっています。しかし、それぞれの手術にはメリット・デメリットがあり、患者さんの年齢や骨の状態、腱板の損傷の有無を考慮して最適な治療法を選択することが大切です。

肩の骨折でお悩みの方は、専門医としっかり相談し、自分に合った治療法を選びましょう。


【参考文献】

  • Alrabaa RG, Ma G, Truong NM, et al. Trends in Surgical Treatment of Proximal Humeral Fractures and Analysis of Postoperative Complications. JBJS Open Access. 2022; e22.00008. https://doi.org/10.2106/JBJS.OA.22.00008

 

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