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ジム通いのあなたは大丈夫?意外と知らない筋トレの常識と誤解

 

·  ジム通いのあなたは大丈夫?意外と知らない筋トレの常識と誤解

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筋トレのウソ・ホント!プロテイン・クレアチン・回数の真実とは?

【プロテイン・クレアチン・栄養補給の真実】

筋トレをしている人なら一度は「プロテインを飲めば筋肉がつく」と聞いたことがあるでしょう。実際、たんぱく質の摂取は筋肉の成長に必要不可欠ですが、「飲めばすぐに筋肉がつく」というのは誤解です。

研究によると、プロテインの摂取は筋力や筋肥大をサポートするが、それだけで筋肉が増えるわけではない ことが分かっています。特に、たんぱく質の摂取量が十分な場合、追加のプロテイン摂取の効果は限定的です。また、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の違いは小さく、どちらも適切に摂取すれば筋肉の成長に貢献します

さらに、クレアチンについてもよく議論されますが、科学的には クレアチンは筋力向上に有効 であると証明されています。ただし、クレアチンだけでは筋肉がつかず、適切なトレーニングとセットで摂取することが重要です。

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一方で、「プロテインを飲むタイミングが大事」という説もよく耳にします。しかし、研究では 摂取タイミングよりも、1日の総たんぱく質摂取量が重要 であることが示されています。トレーニング直後の摂取にこだわらなくても、1日の中で適量を摂取できれば問題ないのです。

【トレーニング方法の誤解と科学的根拠】

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「軽い重量で高回数のトレーニングでも、重い重量のトレーニングと同じ効果が得られる」という説がありますが、これは半分正解で半分誤解です。筋肥大に関しては、高重量・低回数と低重量・高回数のどちらでも効果がある ことが確認されています。ただし、最大筋力の向上には 高重量のトレーニングが必要 です。

また、「筋トレは体の柔軟性を損なう」という話もありますが、これは誤解です。むしろ フルレンジの動作を伴う筋トレは、柔軟性の向上にも役立つ ことが分かっています。

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さらに、「筋トレは男性の方が効果的」という話もありますが、男性と女性で筋トレの効果に大きな差はない というのが科学的な結論です。男性の方がテストステロンの分泌が多いため、筋肥大が起こりやすい傾向はありますが、トレーニング効果そのものは性別を問わず得られます。

【効果的な筋トレのために知っておくべきポイント】

科学的な知識を活用して、より効果的な筋トレを行うためのポイントを紹介します。

  1. プロテインの摂取は1日の合計量を意識する
    • 体重1kgあたり1.62.2gのたんぱく質摂取が推奨されます。
  2. クレアチンは筋力向上に有効
    • 135gのクレアチンを継続的に摂取すると効果が得られます。
  3. 高重量・低回数と低重量・高回数を組み合わせる
    • 筋力向上には高重量、筋肥大にはどちらの方法も有効です。
  4. 筋トレは柔軟性を損なわない
    • フルレンジの動作を意識すると、柔軟性も向上します。
  5. トレーニング頻度を適切に設定する
    • 週に23回以上の筋トレが理想的です。

これらの知識を取り入れることで、より効率的な筋トレが可能になります。トレーニングの成果を最大化するために、科学的なエビデンスに基づいた正しい情報を活用しましょう!

【引用論文】

  • Alexandra Unger, Clemens Mosgan, Christofer Wolte, Sara Pettauer, Jan Wilke. (2025). "Knowledge of gym goers on myths and truths in resistance training." Scientific Reports.

 

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