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股関節の痛みを軽減!PRP治療のメカニズムとメリットを医師が解説

 PRP治療で変わる!股関節の痛みと向き合う最新治療法

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【PRP治療とは?股関節痛に効果が期待される理由】

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股関節の痛みで悩んでいる方にとって、PRP(多血小板血漿)治療は注目の選択肢です。PRPは、患者自身の血液から作られる成分で、自然な治癒力を活かして関節の痛みを和らげる効果が期待されています。

PRPの主成分は血小板で、成長因子を豊富に含んでいます。これらの成分が関節内で炎症を抑え、損傷した組織の修復を促進します。特に変形性股関節症(OA)の初期段階に効果的とされています。

【PRP治療の効果と注射方法】

PRP治療は、まず患者の血液を採取し、専用の機械で血小板を濃縮します。その後、この濃縮液を股関節内に直接注射します。注射は超音波を使って正確な位置に行われ、治療時間は30分程度です。

研究では、単回注射と複数回注射を比較した結果、単回注射の方が痛みの軽減効果が高いことが示されています。また、総量15mL未満の低容量PRPや**白血球を含まないタイプ(leukocyte-poor PRP)**の方が効果的とされています。

【治療効果の持続期間と副作用】

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PRP治療後、1〜2か月以内に痛みの軽減と関節機能の改善が見られることが多いです。効果は6か月から1年程度持続する場合もありますが、長期的な有効性には個人差があります。

副作用は少なく、注射部位の一時的な痛みや腫れが報告されていますが、重篤な合併症はほとんどありませんでした。

注意点: 日本では、変形性股関節症に対するPRP治療は健康保険の適用外となっており、治療費は自己負担となります。医療機関によって費用は異なるため、事前に確認することをおすすめします。


 まとめ:PRP治療は股関節痛の新たな希望!

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PRP治療は、変形性股関節症に対する安全で効果的な治療法として注目されています。特に初期段階の痛みや動きにくさに悩む方にとって、有力な選択肢となるでしょう。

ただし、長期的な効果や最適な治療方法については今後の研究が必要です。治療を検討する場合は、整形外科医と相談のうえ、自分に最適な方法を選ぶことが大切です。

引用論文: Lim, A., Zhu, J. B., & Khanduja, V. (2023). The Use of Intra-articular Platelet-Rich Plasma as a Therapeutic Intervention for Hip Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-analysis. The American Journal of Sports Medicine, 51(9), 2487-2497.

 

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