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大谷正平選手も受けたトミー・ジョン手術後、3年でどれだけMLBに復帰できる?最新研究を解説!
MLBピッチャーの肘手術後のパフォーマンス復帰に迫る!
大谷正平選手も受けたトミー・ジョン手術後、3年でどれだけMLBに復帰できる?最新研究を解説!
【大谷正平選手も受けたトミー・ジョン手術とは?】
トミー・ジョン手術(UCL再建術)は、野球選手、特にピッチャーにとってよく知られる手術です。この手術は、肘の靭帯(尺側側副靭帯)が損傷した際に行われます。損傷した靭帯を修復することで、選手が再び投球できるようになることを目指します。メジャーリーガの大谷正平選手もこの手術を受けたことで有名となりました。
しかし、「投げられるようになる」だけでなく、「以前のレベルで活躍できるか」という点は、これまであまり詳しく研究されていませんでした。この記事では、MLBのピッチャーを対象とした最新研究をもとに、手術後の復帰率やパフォーマンスについて掘り下げます。
【復帰率とパフォーマンスの実態】
この研究では、2017年から2023年の間にトミー・ジョン手術を受けた129人のMLBピッチャーが対象となりました。調査では、手術後1年、2年、3年の各段階での復帰状況が分析されています。
主な結果
- 復帰率
- 手術後1年で16%のピッチャーが試合に復帰。
- 2年目には72%、3年目には82%が復帰。
- パフォーマンス復帰率
- 球速、スピンレートなどの主要指標で、多くのピッチャーが3年目には元のレベルに近づきました。
- しかし、「完全復帰」(すべての主要指標で元の水準を達成)できたのはわずか28%でした。
つまり、ほとんどの選手が試合には復帰できても、以前のようなパフォーマンスを発揮できるかどうかは別問題であることが分かりました。
【復帰を左右する要因とは?】
この研究では、どのような要因が「完全復帰」に影響を与えるかも分析されています。
主なネガティブ要因
- 先発ピッチャー
- 先発ピッチャーは、中継ぎや抑えと比べて完全復帰の可能性が低いことが分かりました。投球回数が多いことが影響していると考えられます。
- 術前の球速が速い選手
- 術前に高い球速を持つ選手ほど、手術後に同じ水準のパフォーマンスを維持するのが難しいことが示されました。
- 年齢
- 手術時の年齢が高いほど、パフォーマンス復帰が難しくなる傾向が見られました。
これらの要因は、選手の身体的な負担やリハビリ期間の長さに影響を与える可能性があります。
【手術後に求められるもの】
手術後、試合に復帰できても、パフォーマンスを完全に取り戻すまでには長い時間が必要です。この研究は、以下のような重要なメッセージを伝えています。
リハビリの重要性
- 物理的な回復だけでなく、メンタル面でのサポートも重要です。
- チームと選手が協力して、適切なリハビリ計画を立てることが不可欠です。
手術の限界を理解する
- トミー・ジョン手術は「魔法の手術」ではありません。
- 多くの選手が試合に復帰できる一方で、以前のレベルに戻るためには多くの努力が必要です。
将来の研究に期待
- この研究では、最新の分析ツールを使ってピッチャーのパフォーマンスを詳細に評価しています。
- 将来的には、より良い手術法やリハビリ方法が開発されることが期待されます。
【まとめ】
今回の研究では、トミー・ジョン手術を受けたMLBピッチャーの復帰率とパフォーマンス復帰について詳しく分析されました。試合への復帰率は高い一方で、以前のレベルに完全に戻る選手は少ないという現実が浮き彫りになりました。
この結果をもとに、選手、チーム、医療チームがどのように手術とリハビリに取り組むべきかを考える良い機会となるでしょう。
野球やスポーツ整形外科に携わる方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
Mastroianni MA, Kunes JA, El-Najjar DB, et al. Return to Performance After Ulnar Collateral Ligament Surgery in Major League Baseball Pitchers. Am J Sports Med. 2025;53(1):104-114. doi:10.1177/03635465241289142
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