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骨粗鬆症が原因の死亡率は公表数値の19倍?その背景と解決策
骨粗鬆症が原因の死亡率は公表数値の19倍?その背景と解決策
【骨粗鬆症による死亡リスク:脆弱性骨折がもたらす影響とは?】
骨粗鬆症は、年齢とともに骨がもろくなる病気で、多くの高齢者に影響を与えています。本記事では、脆弱性骨折がどのように健康に影響を及ぼすのか、最新の研究結果をもとにわかりやすく解説します。
【脆弱性骨折とは?骨粗鬆症との関係を解説】
脆弱性骨折とは、軽い外力、たとえば立っている状態からの転倒などで骨が折れることを指します。この骨折は、骨粗鬆症が進行している場合に発生しやすいです。
日本では年間約12,800万人が骨粗鬆症を患っていると推定されており、特に大腿骨や脊椎の骨折が多く見られます。これらの骨折は、以下のような症状を引き起こします。
- 大腿骨骨折:歩行能力の低下や寝たきりになるリスクが高まる
- 脊椎骨折:姿勢の変化や慢性的な痛みの原因となる
【脆弱性骨折による死亡率が示す現実】
今回の研究では、日本における脆弱性骨折の実態を調査しました。その結果、以下のことが明らかになりました。
- 2018年の公表データでは骨粗鬆症による死亡数は190件とされています。
- 一方で、脊椎や大腿骨の骨折が原因となる死亡は実際には3,627件にのぼり、公表値の約19倍であると推定されました。
これは、骨粗鬆症が死亡原因として正確に記録されていない場合が多いことを示しています。この問題は、医師が死亡診断書に正確な情報を記載しないことが一因とされています。
【骨粗鬆症を予防するために今すぐできること】
脆弱性骨折のリスクを減らすためには、骨の健康を維持することが重要です。以下のポイントに注意しましょう。
- カルシウムとビタミンDを摂取
- 牛乳、ヨーグルト、小魚などの食品を積極的に摂りましょう。
- 日光浴でビタミンDを生成することも効果的です。
- 運動習慣を身につける
- 軽いジョギングやウォーキングで骨に適度な刺激を与える。
- 筋力トレーニングで骨の密度を向上させる。
- 骨粗鬆症の診断と治療を受ける
- 定期的に骨密度検査を受け、医師と相談して適切な治療を開始する。
【まとめ】
骨粗鬆症による脆弱性骨折は、健康と生活の質に大きな影響を与えるだけでなく、死亡リスクを高める可能性があります。正確な診断と予防策を講じることで、リスクを軽減することができます。
引用論文
Abe, K., et al. (2024). Deaths caused by osteoporotic fractures in Japan: An epidemiological study. Journal of Orthopaedic Science, 29(2024), 1477-1482. DOI: 10.1016/j.jos.2023.10.013
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