成尾整形外科病院

脊椎外科(腰・首・肩・手足)・関節外科(肘・膝・股関節)を中心とした整形外科専門病院

元気になるオルソペディック ブログ

Perthes病とは?子どもの股関節に影響を与える病気を徹底解説!

「Perthes病とは?子どもの股関節に影響を与える病気を徹底解説!」


【Perthes病とは?基本情報と原因について】

 Perthes病.画像jpg.jpg

Perthes病(ペルテス病)は、4歳から9歳の子どもに多く見られる股関節の病気です。この病気では、大腿骨の頭部分(股関節の骨の丸い部分)に血液が行き渡らなくなり、一時的に骨が死んでしまいます。その結果、骨が壊れたり変形したりすることがあります。

男の子に多く見られ、発症率は女の子の約5倍です。また、症状は片方の股関節に起きる場合がほとんどですが、10~24%の患者では両側に起こることもあります。

ペルテス病大腿部痛.JPG

症状としては、股関節や太もも、膝の痛み、跛行(足を引きずる歩き方)が見られます。また、一部の患者では痛みを感じずに跛行だけが現れることもあります。


【治療法:保存療法と手術の選択肢】

Perthes病の治療法は、患者の年齢や病状の進行度によって異なります。以下に、主な治療法を紹介します。

保存療法(非手術的治療)

保存療法は、軽度の症例や若年の患者に適用されることが多いです。主な方法には以下が含まれます。

  • 理学療法: 筋力を強化し、股関節の動きを改善します。
  • 装具療法: 大腿骨頭を適切な位置に保つための装具やブレースを使用します。
  • 体重制限: 患部への負担を減らすために、体重の一部を松葉杖などで支える方法です。

研究では、6歳未満の患者には保存療法が有効であり、約80%が良好な予後を示しました​​。

手術療法

保存療法が効果を示さない場合や、病状が進行している場合は手術が検討されます。代表的な手術法には以下があります。

  • 大腿骨内反骨切り術(VDRO): 大腿骨の角度を調整して股関節の適合性を改善します。
  • 骨盤骨切り術: 骨盤の形を整えて股関節の安定性を高めます。

8歳以上の患者では、手術療法がより良い結果をもたらす傾向があるとされています​​。


【早期発見の重要性と予後】

Perthes病から改善.JPG

Perthes病は進行性の病気であり、早期発見と適切な治療が予後に大きな影響を与えます。特に早期段階で診断され、適切な治療を受けた場合、股関節の変形を最小限に抑えることができます。

また、放置すると股関節の変形が進行し、成人期に早期の変形性関節症を発症するリスクが高まります。そのため、股関節や膝の痛み、跛行などの症状が現れたら、早めに医師に相談することが大切です。


参考文献

  1. A systematic review of the non-surgical treatment of Perthes' disease​.
  2. Effectiveness of therapeutic methods for Legg-Calvé-Perthes disease according to staging​​.

 

免責事項

  • 当ブログの内容はブログ管理者の私的な考えに基づく部分があります。医療行為に関しては自己責任で行って頂くようお願いいたします。
  • 当ブログの情報を利用して行う一切の行為や、損失・トラブル等に対して、当ブログの管理者は何ら責任を負うものではありません。
  • 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更あるいは削除する場合がありますのであらかじめご了承ください。
  • 当ブログの情報を利用する場合は、免責事項に同意したものと致します。
  • 当ブログ内の画像等は、本人の承諾を得て、個人が特定されないように匿名化して利用させて頂いております。

当ブログでの個別の医療相談は受け付けておりません。