成尾整形外科病院

脊椎外科(腰・首・肩・手足)・関節外科(肘・膝・股関節)を中心とした整形外科専門病院

元気になるオルソペディック ブログ

若年アスリート必見!膝の怪我が筋力に与える長期的な影響

 

「若年アスリート必見!膝の怪我が筋力に与える長期的な影響」

膝の怪我少年.JPG

【スポーツ障害による膝の筋力低下とは?】

スポーツでの膝の怪我は、筋力の低下を引き起こす大きな要因です。特に前十字靭帯(ACL)の損傷は、太ももの筋力に顕著な影響を及ぼします。この研究では、11歳から19歳の若年アスリートを対象に、膝の怪我が筋力にどのような変化をもたらすのかを2年間追跡調査しました。

膝怪我とリハビリfig1.JPG膝と怪我リハビリfig2.JPG

膝の筋肉、特に大腿四頭筋(前面)とハムストリングス(裏面)は、動きやバランスに重要な役割を果たします。この研究では、負傷した側の筋力が未負傷側に比べて最大30%も低下することが分かりました。この筋力低下は、怪我直後から6カ月以内に顕著で、12カ月以降は改善が停滞する傾向にあります。

【リハビリと筋力回復の課題】

膝の怪我リハビリ少年4.JPG

研究から、膝の怪我後のリハビリの重要性が浮き彫りになりました。特に、怪我から6カ月間の集中リハビリが筋力回復に大きな効果をもたらします。しかし、リハビリを途中でやめてしまうと、筋力が完全に回復しないまま終わってしまう可能性があります。

また、膝の前面だけでなく裏面の筋力にも目を向ける必要があります。前十字靭帯再建術後では、ハムストリングスの筋力が十分に回復しないケースが多いです。これにより、再び怪我をするリスクが高まる可能性が指摘されています。

【未来の健康を守るために】

膝の怪我からスポーツ復帰5.JPG

若年アスリートが怪我をした際、リハビリは怪我の治療だけでなく、将来のスポーツパフォーマンスや日常生活の質を守るためにも欠かせません。この研究では、怪我から24カ月経過しても10%前後の筋力低下が残ることが確認されました。

そのため、継続的な筋力トレーニングや医療専門家のサポートが必要です。さらに、自分の体に合ったリハビリプログラムを取り入れることで、最大限の回復を目指しましょう。


論文引用

Losciale, J. M., et al. (2025). Strength Setbacks: The Impact of Youth Sport-Related Knee Joint Injuries on Thigh Muscle Strength. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 55(2), 1-11. doi:10.2519/jospt.2024.12663

 

免責事項

  • 当ブログの内容はブログ管理者の私的な考えに基づく部分があります。医療行為に関しては自己責任で行って頂くようお願いいたします。
  • 当ブログの情報を利用して行う一切の行為や、損失・トラブル等に対して、当ブログの管理者は何ら責任を負うものではありません。
  • 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更あるいは削除する場合がありますのであらかじめご了承ください。
  • 当ブログの情報を利用する場合は、免責事項に同意したものと致します。
  • 当ブログ内の画像等は、本人の承諾を得て、個人が特定されないように匿名化して利用させて頂いております。

当ブログでの個別の医療相談は受け付けておりません。