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骨粗しょう症治療薬の中断リスク:デノスマブ中止後の骨折に要注意
骨粗しょう症治療薬の中断リスク:デノスマブ中止後の骨折に要注意
【デノスマブとは?効果と使用歴】
デノスマブは骨粗しょう症治療のために開発された強力な薬剤です。この薬は骨吸収を抑える作用があり、特に脊椎や股関節の骨折リスクを大幅に減らすことが臨床試験で確認されています。ただし、使用を中断すると骨密度が急激に低下し、骨折のリスクが増加することが近年の研究で明らかになっています。
【中断後のリスクと最新研究】
デノスマブの中断により、特に脊椎骨折の発生が報告されています。ある研究では、過去にビスホスフォネート(他の骨粗しょう症治療薬)を長期間使用していた患者でも、中断後の骨折リスクが完全には防げない可能性が示されています。このような「リバウンド脊椎骨折」(Rebound-Associated Vertebral Fractures)は、中断後の骨代謝が急激に活性化することが原因と考えられています。
【患者と医師が取るべき対策】
デノスマブ治療を中断する場合、患者と医師の間で十分な対策が必要です。他の骨吸収抑制剤を使用するなど、継続的なケアを行うことでリスクを低減できます。また、患者自身も骨密度測定や生活習慣の見直しを行い、骨折予防に努めることが重要です。
【参考文献】 Tripto-Shkolnik, L., Rouach, V., Marcus, Y., et al. (2018). Vertebral Fractures Following Denosumab Discontinuation in Patients with Prolonged Exposure to Bisphosphonates. Calcified Tissue International. DOI:10.1007/s00223-018-0389-1
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