成尾整形外科病院

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肩鎖関節脱臼を徹底解説!診断から治療・リハビリまでの最新ガイド

  1. 肩鎖関節脱臼を徹底解説!診断から治療・リハビリまでの最新ガイド

転倒肩痛.JPG


【肩鎖関節脱臼とは?その原因と症状を知ろう】

肩鎖関節脱臼.jpg

肩鎖関節脱臼とは、肩甲骨と鎖骨をつなぐ関節が損傷するケガの一種です。主に転倒やスポーツ中の衝撃で起こり、肩の上部に強い痛みや腫れを引き起こします。

このケガは、重症度によって1〜6のRockwood分類があり、軽いものは安静とリハビリで回復することもありますが、重い場合は手術が必要になることがあります。そのため、適切な診断と治療がとても重要です。

【Rockwood分類】

タイプI:軽度の捻挫

  • 特徴
    • 肩鎖関節の靱帯が軽度に損傷。
    • 関節は解剖学的に安定している。
  • 症状
    • 軽い痛みや腫れ。
    • X線では異常が見られない。
  • 治療
    • 保存療法(安静、冷却、痛み止め)。
    • 数日から1週間で回復。

タイプII:部分脱臼

  • 特徴
    • 肩鎖靱帯が完全に断裂。
    • 烏口鎖靱帯は部分的に損傷。
    • 鎖骨が軽度に挙上している。
  • 症状
    • 鎖骨外端の痛みとわずかな隆起。
    • X線で肩鎖関節のわずかな広がりが見られる。
  • 治療
    • 保存療法(スリングによる固定、リハビリ)。
    • 通常は3〜6週間で回復。

右肩鎖関節脱臼.jpg

タイプIII:完全脱臼

  • 特徴
    • 肩鎖靱帯と烏口鎖靱帯が完全に断裂。
    • 鎖骨が明らかに挙上している。
    • 鎖骨と肩甲骨の間のスペースが正常の25〜100%拡大。
  • 症状
    • 肩の変形(触診で鎖骨が突出)。
    • 動きに伴う痛み。
  • 治療
    • 保存療法と手術のどちらかを選択(患者の活動レベルや職業による)。
    • アスリートでは手術を選ぶことが多い。

タイプIV:鎖骨の後方脱臼

  • 特徴
    • 鎖骨が肩峰後方に脱臼。
    • 烏口鎖靱帯が完全に断裂。
    • 鎖骨が肩甲骨と筋肉の間に埋もれる。
  • 症状
    • 肩の変形。
    • 動作の制限。
  • 治療
    • 手術が必須(後方脱臼は保存療法が困難)。

タイプV:高度な脱臼

  • 特徴
    • 肩鎖関節が完全に脱臼し、鎖骨が肩甲骨から大きく離れている。
    • 烏口鎖靱帯の断裂により、鎖骨と肩甲骨間の距離が通常の2〜3倍に広がる。
  • 症状
    • 明らかな変形と強い痛み。
    • 腕の可動域が著しく制限される。
  • 治療
    • 手術が必要(靱帯再建や骨固定)。

タイプVI:下方脱臼(稀なケース)

  • 特徴
    • 鎖骨が肩甲骨下方に脱臼。
    • 肩甲骨の肩峰の下に鎖骨が入り込む。
  • 症状
    • 肩の明らかな変形と強い痛み。
    • 神経血管障害の可能性がある。
  • 治療
    • 緊急手術(神経や血管への影響が懸念される)。

 

左肩痛1.JPG

【肩鎖関節脱臼の診断:最新のガイドラインが示すポイント】

肩解剖.JPG

今回の研究では、肩鎖関節脱臼の診断において、いくつかの重要なポイントが明らかにされました。特に注目すべき点を以下にまとめました。

1. 診断には詳細な問診と身体検査が不可欠

肩のケガを診断する際、まずはケガの原因や痛みの状況について詳しく聞くことが重要です。その後、肩の動きや圧痛の有無を調べます。

2. 複数のX線撮影が推奨される

肩鎖関節脱臼では、X線撮影による正確な評価が欠かせません。正面、側面、ストレスを加えた状態など、複数の角度から撮影することで、ケガの重症度が明確になります。

3. 手術の必要性を判断する基準

重度の損傷(特にタイプ4以上)では、関節の安定性を回復するために手術が推奨されます。この研究では、靱帯(じんたい)の補強に「同種腱移植」という手法が有効とされています。


【肩鎖関節脱臼の治療とリハビリ:成功へのステップ】

肩リハビリ1.JPG

肩鎖関節脱臼の治療は、軽度の場合と重度の場合で異なります。それぞれの治療法とリハビリのポイントを見ていきましょう。

軽度の場合:

  • 安静と装具の使用
    軽度の損傷では、肩を固定するスリングや装具を使い、自然回復を促します。
  • 早期リハビリ
    炎症が落ち着いたら、可動域を広げるリハビリを開始します。専門家の指導を受けながら行うことで、肩の機能回復がスムーズになります。

重度の場合:

  • 手術による修復
    重度の損傷では、関節を元の位置に戻し、靱帯を修復する手術が行われます。今回の研究では、「同種腱移植」が効果的であることが示されています。
  • 段階的なリハビリ
    手術後は、固定を行った後、リハビリを段階的に進めます。最初は軽い運動から始め、最終的には筋力トレーニングを行います。

【肩鎖関節脱臼を防ぐために:日常生活でできること】

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肩鎖関節脱臼を防ぐには、普段から肩の強化と安全対策を心がけることが大切です。

  1. 肩周りの筋力トレーニング
    肩の筋肉を強化することで、衝撃に耐えやすい関節を作ることができます。
  2. 安全なスポーツ環境の整備
    スポーツを行う際には、転倒を防ぐための適切な設備や防具を使用しましょう。
  3. 早めの受診
    肩に違和感を感じたら早めに専門医に相談することが重要です。軽いケガでも放置すると重症化する可能性があります。

【まとめ】

肩鎖関節脱臼は、適切な診断と治療、リハビリによって機能回復が可能なケガです。今回の研究は、診断や治療法における最新のガイドラインを提供しており、医師だけでなく患者さんにとっても有益な情報となっています。

肩のケガでお困りの際は、専門医に相談し、最適な治療を受けることで早期回復を目指しましょう。


引用文献

  • Expert Consensus Study using the Delphi Method: Acromioclavicular Joint Injuries.

 

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