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女子アスリート必見!前十字靭帯手術後のリハビリで避けたいポイント
「女子アスリート必見!前十字靭帯手術後のリハビリで避けたいポイント」
【ACL再建術後に残る課題とは?】
前十字靭帯(ACL)は、膝の安定性を支える重要な靭帯です。スポーツ中の負傷が多く、特に女子アスリートにとって大きな問題となっています。ACLの損傷後、多くの場合で再建術が行われますが、手術後のリハビリには多くの課題が残ります。
最近の研究では、ACL再建術後9か月から12か月の間に、動作の左右差が顕著であることが明らかになりました。特に「タックジャンプ評価」という方法で、負傷した脚と健常な脚の間に動作の非対称性があることが確認されています。この非対称性は、再負傷のリスクを高める要因とされています。
【タックジャンプ評価でわかる動作の非対称性】
タックジャンプ評価は、両足でのジャンプと着地の動きを分析する方法で、リハビリ中の進捗を測る重要な手段です。この評価では、膝の動きや地面からの反発力などを測定し、動作のクセや弱点を明らかにします。
研究によると、ACL再建術後の選手は、負傷していない脚に頼りすぎる傾向があることが分かりました。この「オフローディング戦略」と呼ばれる動きのクセは、負傷した脚を保護するために無意識に行われますが、結果として再負傷のリスクを高める可能性があります。
特に以下の点が指摘されています:
- 地面反力の非対称性
- 着地時の膝の角度や安定性の低下
- 跳躍時の重心の移動範囲の縮小
【リハビリで注意すべきポイント】
ACL再建術後のリハビリを成功させるためには、以下のポイントが重要です。
- 左右差を意識したトレーニング
負傷していない脚に頼りすぎないよう、両脚で均等に力をかける練習を心がけましょう。 - 動作分析を活用する
タックジャンプ評価などの動作解析を定期的に行い、自分の弱点を把握することが大切です。 - プライオメトリックトレーニング
瞬発力を高めるトレーニングを取り入れることで、跳躍時の筋力や反応速度を改善できます。 - 長期的なリハビリ計画
9か月から12か月では完全な回復が難しい場合もあるため、継続的なリハビリが求められます。
ACL再建術後のリハビリの質を向上させ、再負傷を防ぐためにぜひ参考にしてください。
引用文献
Kember LS, et al. Kinetics During the Tuck Jump Assessment and Biomechanical Deficits in Female Athletes 12 Months After ACLR Surgery. Am J Sports Med. 2025. DOI: 10.1177/03635465241308579
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