1. 「腰痛再発予防にウォーキング！個別プログラムの効果を徹底解説」

   
   

【ウォーキングで腰痛予防？新しいアプローチとは】

腰痛の再発は多くの人にとって厄介な問題です。そんな中、オーストラリアで行われた「WalkBack」という研究が注目されています。この研究は、ウォーキングと教育を組み合わせた個別プログラムが腰痛の再発をどの程度防げるかを調査しました。

研究では、351人の参加者がこのプログラムを受けました。結果として、ウォーキングと教育を組み合わせることで、再発のリスクが28％減少したのです。特に注目すべきは、平均再発日数が208日に延び、通常のケアを受けた場合の112日と比べて大幅に改善したことです。

【ウォーキングプログラムの具体的な内容】

1. 個別化されたプラン
   プログラムは、理学療法士の指導のもと、参加者一人ひとりに合わせたウォーキングプランを作成します。6か月間にわたり、5回のセッションと1回のフォローアップが行われました。
2. 進行的な負荷調整
   初期には週3回30分程度から始め、徐々に負荷を増やします。参加者は歩数計を使用して進捗を確認し、自己管理能力を向上させます。
3. 教育の要素
   プログラムには腰痛の基本的な科学と自己管理方法についての教育も含まれており、患者の不安を軽減し、再発を防ぐ行動変容を促します。

【効果と課題：データが示す可能性】

効果:
プログラムを受けた参加者は、腰痛再発のリスクが低減し、生活の質が向上しました。また、障害スコア（RMDQ）は12か月後に1.28ポイント改善しています。

課題:
一方で、下肢に関連する軽微な怪我が増加する傾向も見られました。このリスクを軽減するためには、プログラムの進行を慎重に行うことが必要です。

引用文献

Pocovi, N. C., Lin, C.-W. C., French, S. D., et al. (2024). Effectiveness and cost-effectiveness of an individualised, progressive walking and education intervention for the prevention of low back pain recurrence in Australia (WalkBack): a randomised controlled trial. The Lancet, 404(July 13), 134-144. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)00755-4