成尾整形外科病院

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DISHを見逃すな!!(DISH:びまん性特発性脊椎骨増殖症)

DISHを見逃すな!!

日本人を含む、アジア人は欧米の人種と比べて、靭帯骨化する症例が多いといわれております。頸椎の前方の前縦靭帯骨化症、頸椎椎体後縁の骨化症である後縦靭帯骨化症、黄色靭帯が骨化する黄色靭帯骨化症があります。それ以外の靭帯骨化としてDISHがあります。

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DISHとはびまん性特発性脊椎骨増殖症(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis)略称です。(スパイダーマンの主題歌を歌っていた人気の歌手グループではないです。)

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DISHは脊椎を連結する、前縦靭帯を中心として靭帯骨化を呈して、脊椎の可動性の低下を呈します。骨化が進行すると脊椎が、1本の竹のように硬直することからBamboo spineと呼ばれます。硬直したBamboo spineは外傷などによって骨折を呈すると非常に不安定な骨折となります。通常の骨粗鬆症性の椎体骨折の多くは安静で痛みは軽減しますが、DISHの骨折は不安定性が高いため痛みが強く、体動困難となります。また脊柱管内の神経への不安定性から麻痺を呈する可能性が高くなり非常に危険な状態です。

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 通常はDISHの骨折は手術適応となります。手足の長管骨(大腿骨や上腕骨など)のように一本の棒のような脊椎になりますので、手術でも長管骨同様にスクリューを骨折椎体の上下に3本ずつ固定するlong fusionが必要になることが多いです。

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低侵襲脊椎手術(MIST)手技が浸透してきており、経皮的椎弓根スクリュー(PPS)を用いると小切開でPPSを刺入できますので、出血量の減少、手術時間の短縮などlong fusionでも高齢者でも低侵襲脊椎手術が可能となってきております。もちろん骨粗鬆症をベースにした脆弱性骨折ですので、術前後に強固な骨粗鬆症の治療(テリパラチやロモソズマ)が推奨されます。

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DISHに伴う椎体骨折は骨粗鬆症性椎体骨折と病態が異なります。いわゆる圧迫骨折と誤診されると寝たきりや麻痺になってしまう危険性が高いです。実際診断が遅れて紹介されてくる症例も多いです。CT検査ができる施設では容易に診断できますが、レントゲン検査だけでは診断が困難なことも事実です。

脊椎脊髄外科専門医試験でも出題されております。見逃してはいけない疾患の啓蒙です。靭帯骨化の原因はまだ解明されていないことが多いですが、糖尿病の罹病率が高く、Ca代謝だけでなく、糖代謝の異常の関係も言われております。

 専門医試験DISH.JPG

圧迫骨折と診断されても腰痛が改善しない、症状が悪化している場合は専門医を受診して精査してもらうことをお勧めします。

 DISH画像.jpg

 

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