元気になるオルソペディック ブログ
AIで骨粗鬆症骨粗鬆症のリスク評価を行える時代がやってきた!
最近よく見聞きする人工知能(AI:Artificial Intelligence)についての話題です。TVなどのメディアではchatGPTが有名だと思います。
ChatGPTに質問をするとAIが返答してくれます。
試しに骨粗鬆症の鑑別診断について問いかけましたが、返答は医学生レベルなら合格点と思われる返答です。(臨床的には骨肉腫の可能性は極めてまれですので、鑑別にはほぼあがりませんが)
骨粗鬆症は骨が脆くなる疾患で、ちょとした外傷や誘因なく骨折を生じる状態です。椎体骨折や大腿骨近位部は寝たきりの原因やADL低下の原因となります。日本で約1300万人の患者さんがいると推測されております。
骨粗鬆症の診断には通常骨密度を測定しYAM値(Young adult mean:若年成人平均値,腰椎では20~44歳、大腿骨近位部では20~29歳の平均)からどの程度低下しているかで診断されます。
原発性骨粗鬆症の診断としては
- 椎体骨折や大腿骨近位部骨折の脆弱性骨折がある
- そのほかの脆弱性骨折があり、骨密度がYAM値の80%未満
- 骨密度がYAM値の70%以下または-2.5SD
骨粗鬆症の診断には骨密度の測定が必要となります。
骨密度の測定にはDEXA法(Dual-energy X-ray absorptiometry)と呼ばれる方法がガイドラインでも推奨されており当院でも腰椎と大腿骨の骨密度を測定しております。
ただしDEXA法には設備投資や検査に人手がかかるなど、すべての病院、クリニックにあるわけではありません。整形外科以外のクリニックではあるほうが珍しいのではないかと思います。骨粗鬆症の患者さんは1300万人いるといわれてますが治療介入されている方は10-20%と一部の方のみで、多くの患者さんが治療されてないのが現状です。そこで健康診断やどこの病院、クリニックでも撮影される胸部レントゲンから骨粗鬆症のリスク評価するAI医療機器を開発したのが、ベンチャー企業のiSurgery株式会社です。
胸部X線から骨粗鬆症を検査するAI医療機器|iSurgery株式会社
胸部レントゲンを取り込むとAIが骨粗鬆症のリスク評価をしてくれます。
iSurgery株式会社の佐藤洋一先生とアベルは学会で知り合い仲良くさせてもらってます。第96回日本整形外科学会でも発表の合間にみなとみらいで一緒にランチしAIなどについていろいろ教えていただきました。
AIのシンポジウムで発表されましたが、当院も共同研究に参加させてもっております。まだ段取りはできてませんが、当院でも胸部レントゲンからAIでの骨粗鬆症のリスク評価は可能です。骨粗鬆症が心配な方は外来受診することをお勧めします。
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