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先日、お笑い芸人の千原ジュニアさんが、大腿骨頭壊死の診断で人工股間置換術の手術を受けられたことが、ニュースになっておりました。

大腿骨頭壊死はその名の通り、大腿骨頭の血流が途絶え、壊死を生じる疾患で特定疾患となっております。原因のわからない特発性もありますが、危険因子として、ステロイド剤の使用、多量のアルコール飲酒、外傷による大腿骨頸部骨折などがあります。

治療としては安静や免荷などで大腿骨頭への荷重を軽減させ、鎮痛剤で対応しますが、圧潰が進行する場合は手術療法が検討されます。

若年者の場合は自分の関節を温存する、関節温存手術が適応となります。

大腿骨内反骨切り術、大腿骨頭回転骨切り術などの骨切り術で壊死部を荷重部位からずらして、健常部で荷重をささえるようにする方法です。

壊死部が広範囲や高齢の場合は人工関節置換術が適応となります。除痛効果およびＡＤＬ改善ははやくから達成できますが、長期的には人工関節の摩耗などにより再手術の可能性があるので、高齢者にはよい適応ですが、若年者に行う場合は慎重に判断する必要があります。

さて、股関節痛なのか、腰痛なのかの診断は意外と専門家にも難しいのです。

診断に難渋された症例での勉強です。

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あなたの臀部痛はどっち？腰痛？股関節痛？

 

 70歳代の女性でした。腰痛の主訴でかかりつけの病院で治療されておりました。腰椎すべり症の診断で1年間リハビリ治療を行っておりましたが、改善がないとのことで紹介されました。

 たしかにレントゲンで第４腰椎すべり症を認めますが・・診察上Patrick　signが陽性で股関節周囲の痛みが誘発されます。

股関節のレントゲンでは変形性股関節症を認めました。この方の腰痛は股関節由来の痛みでした。

人工股関節を行うことで、腰痛は改善しました。

 腰痛？股関節痛？

臨床上で見逃さないためには腰椎正面のレントゲンで股関節まで含めることです。

腰痛の定義は「体幹の後面に存在し、第１２肋骨から殿溝下端の間にある。少なくとも1日以上継続する痛み。」とされております。　

腰痛診療ガイドライン2019年より

定義は上記ですが、患者さんが腰痛として訴える範囲は、人それぞれ範囲が違います。患者さんの訴えから、病歴、身体所見をとって、レントゲン検査など必要な部位を行うことが重要です。股関節だけでなく、血管性や腎、血液疾患、泌尿器科、婦人科疾患なども鑑別にあがります。

腰痛の原因は多彩です。長引く腰痛、臀部痛は一度、整形外科専門医で精査してもらほうがよいでしょう。

熊本もようやく、蔓延防止法が解禁となりました。

久しぶりの家族での外食です。早く以前の日常が戻ってほしいものです。