成尾整形外科病院

脊椎外科(腰・首・肩・手足)・関節外科(肘・膝・股関節)を中心とした整形外科専門病院

元気になるオルソペディック ブログ

ついに始まった頸椎人工椎間板置換術!

コロナ禍で緊急事態宣言の発動で、外出や外食、出張などが制限された状況が継続しており、いまだコロナウイルスの終息が見えない状態です。ワクチンの接種が始まったことが希望の光でしょうか。


脊椎の手術では椎間板ヘルニアや狭窄症などによる神経圧迫病変に対して除圧術および固定術を行うことで神経の圧迫を解除し脊椎を安定化させる手術が基本となります。

腰椎に関しては、側方経路腰椎椎体間固定術(LLIF:Lumbar Lateral Interbody Fusion)が2013年に本邦に導入され腰椎の前側方固定術の低侵襲化がなされ、徐々に広がってきておりますが、前方手術は重要臓器がアプローチ近傍にあり、座学などの講習会、Cadaverトレーニングでの経験などが必要で、実施においても施設基準、術者基準が定められております。学会での講習やCadaverトレーニングを受けて、2019年からLLIFを行っております。

前方、広報椎体固定術の歴史.jpg椎体間固定術のアプローチ.jpg

 LLIFもそうですが、脊椎手術の多くが現在は後方手術が主流となっており、若手整形外科医が前方手術を執刀、経験する機会減ってきておりますが。そこで日本脊椎前方側方手術学会(JALAS)が2015年に立ち上げられました。JALASは脊椎前方側方進入手術に関する理解・知見を深め、適切なtraining制度の確立・拡充、及びMIS、open脊椎前方側方進入手術に関係する分野での学術的な発展等を目的とし設立されております。

 私もJALASを第2回から参加し勉強させていただいております。

6回JALAS.JPG

ランチョン_2548.JPG第6回JALAS 2020年1月  とても美味しかったランチョンセミナー

夜は仲良くさせてもらっている北海道の先生と会食。仕事以外の話をしてやる気をもらいました。

コロナ禍で全国の先生がたとお会いできないのが寂しいです。(涙)

勉強終了後は、任天堂ショップでルイージ好きのアベルJr.へお土産を買いに。

     マリオ売り場編集.pngマリオ像_2537.JPG

今回の第7回はコロナ禍でweb開催となりましたが、非常に勉強になる学会の1つです。

今回は頸椎のトピックである、頸椎人工椎間板の講習を受けました。

     

頸椎椎間板ヘルニアなどによる前方からの脊髄、神経根の圧迫に対しては頸椎前方除圧固定術(ACDF:Anterior Cevical Discectomy and Fusion)がゴールドスタンダードです。直接の圧迫病変を除去し固定もできるすばらしい術式ですが、長期的には隣接椎間障害を生じる問題があります。可動性を温存させて、隣接椎間の負荷を軽減させる術式として人工椎間板があります。米国ではFDAで2007年に初めて認可され現在8機種が認可されております。本邦では2017年にPrestigeLP(Medotronic社)、2018年にMobi-C(Zimmer-Biomet社)がPMDAに承認され臨床使用が可能となってます。

どこの施設でも使用できるわけではなく、術者基準、施設基準があり必要なトレーニングシステムを受けないといけません。その1つが講習会です。前回は学会場で受講したのですが、今回はwebでの講習会となりました。web上での新たな取り組みですが、非常に勉強となりました。あとは実際の手術見学を行うことで、術者基準を満たしますが、現状ではいつになるかわかないです。(コロナ禍で、web上での見学になるという話もあります。)適応についてはアメリカでは非常に厳しい基準があり適応となる症例はそんなに多くはないでしょうが、有用な術式となり、安全に普及していくことを願います。

論文でもしっかり学習。適応から術式の詳細まで

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