はくざん 通信   第27号 2003.03.24   ホーム  はくざん通信の目次に戻る 


かぜとインフルエンザ
インフルエンザは注意が必要な感染症


かぜとインフルエンザ

インフルエンザは注意が必要な感染症。
早めに症状をチェック
発症したら48時間以内に診断を
日常生活でできる予防法
ワクチンによる予防
今までの治療方法
新しい治療方法
小さなお子さんを持つ方へ
高齢者とそのご家族の方へ



 インフルエンザ(Influenza)は注意が必要な感染症

 一般に「かぜ」の症状は、くしゃみ、咳、のどの痛み、鼻水などが主で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することは滅多にありません。
 しかし「インフルエンザ」は全身症状を伴い、最高39 〜 40℃の発熱、筋肉や関節の痛み、倦怠感、時に脳炎や肺炎を起こすなど重症化しやすい疾患です。普通の「かぜ」とは異なるという認識が必要です。

早めに症状をチェック  発症したら48 時間以内に診断を

以下の3つのチェックポイントがそろうことがインフルエンザの特徴です。

 □地域内でのインフルエンザの流行
 □急激な発症 ※前触れとしての鼻水や咳、くしゃみなどが続くことなく、急に高熱に  なって気づく
 □38℃以上の突然の発熱/悪寒

 他にも次のような要注意ポイントがあればインフルエンザを疑いましょう。
□関節/筋肉痛
□倦怠感/疲労感
□頭痛
□寝込む
 また、いわゆる以下に記した“かぜ症状”も
同時か、やや遅れて現れます。
□咳/鼻水/くしゃみ □喉(のど)の炎症

日常生活でできる予防

予防と治療
インフルエンザには予防が大切。

1.栄養と休養を十分取る
 体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。 
  
 2.人ごみを避ける
 病原体であるウイルスを寄せ付けないようにしましょう。

3.適度な温度、湿度を保つ
 ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂います。暖房や加湿器で、適度な温度と湿度を保ちましょう。

4.外出後の手洗いとうがいの励行
 手洗いは接触による感染を、うがいは喉(のど)の乾燥を防ぎます。

5.マスクを着用する
 ハイリスク群(*次ページに解説)など、どうしても予防が必要な方は厚手のマスクを着用しましょう。咳やくしゃみの飛沫から感染するのを防ぐ効果もあります。

 柴胡剤などを含む、ある種の漢方薬にも免疫力を高める効果があります。1ヶ月ほど前から内服を続けると予防によいと言われています。


 ワクチンによる予防

最も確実な予防は流行前にワクチン接種を受けることです。下記のハイリスク群やその家族、医療従事者や職員は、早めにワクチン接種をしておきましょう。

 *ハイリスク群(インフルエンザの合併症が極めて起こりやすい人々)は、高齢者、心臓や肺に慢性の病気を持つ人、糖尿病や腎臓病のある人、気管支喘息を持つ小児などです。
 インフルエンザワクチンは、接種してから実際に効果を発揮するまでに2ヶ月ほどかかります。 ワクチンは1回接種でも効果があります。
 流行期間は12 月〜 3 月ですから、11月頃までには接種を終えておくと、より効果的です。予防接種を受けることでインフルエンザにかかりにくくなり、かかっても重くならなくなります。成人では80%、65 歳以上では40%ほどインフルエンザを予防できると言われています。
 普通のかぜには無効です。

 今までの治療方法

 今までのかぜ薬は「症状を軽くする」ものの、「治療する薬」ではありませんでした。
 解熱鎮痛剤は高熱や痛みの症状を緩和させる対症治療です。市販のかぜ薬も熱、咳、鼻水などの症状を抑える薬です。インフルエンザに直接効くものではありません。
 抗生物質も、細菌が原因の合併症には有効ですが、インフルエンザのウイルスには効果はありません。
  
 小児の解熱剤として、 アスピリンなどのサリチル酸系解熱剤、メフェナム酸やジクロフェナクナトリウムを使った解熱剤は、脳症を重くすることなどが指摘されていますので、15歳未満のインフルエンザ患者には投与しないことになっています。小児の解熱にはアセトアミノフェンの処方が適当と言われています

新しい治療方法

 インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬が開発され、保険適応となりました。
 これらの抗ウイルス薬は、医師の診断と処方が必要ですので、かかったな、と思ったら早めに医師にみてもらいましょう。
 抗ウイルス薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、 病気の期間と症状の重さを軽減する効果が優れており、重大な副作用も報告されていません。
 ただし、治療効果をあげるためには症状が出てからなるべく早く(48 時間内に)服用する事が大切です。

 抗ウィルス薬
・アマンタジン A型インフルエンザ感染症に保険適応が認められています。内服薬です。
・リレンザ(吸入薬)とタミフル(内服薬)という薬が2001 年2 月2日から保険適応になりました。A 型とB 型インフルエンザ両方の初期に効果があります。


小さなお子さんを持つ方へ

 乳幼児がお茶やジュースなどの水分をとったあとすぐに吐いて元気がなくなった、けいれんを起こしたなどのときは、すぐに小児科を受診してください。脳炎、脳症の合併症の可能性を考える必要があります。
 小児が解熱鎮痛剤を服用すると「ライ症候群(急性脳症の一種で重篤な病気)」になる危険性があります。他にも解熱剤で急な体温の低下や血圧の低下を引き起こすケースもありますので、小児専門の医師に相談し、小児用のおだやかな解熱剤やかぜ薬を使用してください。

高齢者とそのご家族の方へ

 インフルエンザは特に高齢者にとっては命にかかわり、「老人の最期の生命のともしびを消す疾患」とも言われています。
 まずは予防。そして、かかったかなと思ったらできるだけ早く医師の診断を受けましょう。
 高齢者は普通の感冒でも肺炎になりやすいので注意しましょう。


参考サイト:http://influenza.elan.ne.jp/index.php3
 中外製薬のサイト。説明が充実している。
http://www.tanuki.gr.jp/mt/yobou/100/100.html
インフルエンザ100の質問と回答(小児科医・毛利先生)

http://influenza-mhlw.sfc.wide.ad.jp/
 厚生労働省のサイト

http://www.med.or.jp/influenza/  日本医師会
http://www.nhk.or.jp/kenko/ NHKなど      
              (編集:医局 野上俊光)


COPYRIGHT naruoseikei成尾整形外科病院  ホーム  はくざん通信の目次に戻る