はくざん 通信 第15号 2001.8.18 ホーム はくざん通信の目次に戻る

骨密度測定装置導入について
日本人の平均寿命は女性84.62年、男性77.64年(厚生労働省、平成13年8月発表の2000年簡易生命表から引用)と世界一の水準にあります。このような高齢化社会を迎え、骨粗鬆症が増加し、脊椎・股関節・手首などの骨折が増えています。寝たきり、ボケの進行、海老のような曲がった姿勢を強いられるなど、老後の生活の質に悪影響を及ぼす事が懸念されています。
骨粗鬆症や骨折の予防には正確な骨塩量の測定が不可欠となっています。 当院でも骨密度測定装置(QDR4500)を導入しています。この機器は従来の方法より正確な骨塩量の測定が可能で、骨粗鬆症の治療および予防に活躍しています。
診断機器の種類と特徴 は?
代表的なものは下記の3種類です。
DXA法:Dual Energy X-ray Absorptiometry(二重エネルギーX線吸収法)は、その正確さ・簡便さから病院に広く普及してきています。成尾整形外科病院の機器もこのDXA法です。DXA法では、2つの異なるエネルギーのX線ビームを使い、パルス高の解析によって、骨と軟部組織を区別して、骨塩量(単位:g)が測定されます。さらにX線を照射した方向からみた骨の投影面積(cm2)が計測され、この骨塩量を投影された骨の面積で除したものがDXA法の骨密度(g/cm2)です。ですから、DXA法で測定される骨密度とは面積あたりの密度です。
測定部位は腰椎(正面、側面)、大腿骨、前腕骨、また任意の部位の測定も可能で応用範囲が広く、脊椎の骨塩量測定には欠かせない機器となっています。
pQCT法: (peripheral quantitative computed tomograghy末梢型定量的コンピューター断層法)は、本来の密度である体積密度を測定できる方法です。pQCT法は海綿骨、皮質骨の変化を俊敏に捕らえることができ安全で精度の高い方法として臨床用、また研究用として注目されています。pQCTでは骨の断面より断面係数を算出して、骨強度の指標となるSSI(Stress Strain Index)を自動的に算出します。pQCT法は前腕の橈骨遠位端より前腕長の4%近位部を2.5mmのスライス幅でスキャンします。測定後は、海綿骨、皮質骨またその総和を自動的に分離、解析し、それぞれの密度(g/cm3)が表示されます。しかし装置の普及が少なく、多数例での正常値の信頼性が、まだ十分には得られていません。
定量的超音波法:Quantitative ultrasound (QUS)法は、簡単に言えば、かかとに超音波を通しその通り抜けるスピードに対して、どの程度減衰したかを測定し骨量を計る装置です。特徴はX線を使ってない為妊婦の方にも安全でどこでも場所を選ばず測定できます。但し精度がやや落ちるため、精密な治療効果を追跡するような診断にはやや不向きとの意見もあります。
骨塩定量検査結果について
当院の測定機は高度な機能を持つ直輸入の機器なので、検査結果が英語表記になっています。
そこで、検査結果の読み方を解説いたします。
| 右図で、左上の「脊椎骨のイメージ図」は、測定した部位を図示しています。前後(AP)像や側面(L)像での計測部位の確認や骨変形の程度などが推測できます。L2は第2腰椎、L3は第3腰椎、L4は第4腰椎の測定部位を示します。側弯、変形性脊椎症、骨移植による”みかけの骨量増加”などが結果に影響していないかチェックできます。 左中央のグラフは、縦軸がBMD(bone mineral density: 骨塩量)、横軸がAge(年齢)です。 年齢別の平均値は、濃く塗られた部位と薄い灰色の部位との境界線に相当します。両者の部分は健常者の95%が含まれる範囲(標準偏差の±2倍)を示します。80歳以上になると、骨塩量が同年代の平均値でも、骨量減少や骨粗鬆に相当する事がわかります。 +の印は測定を受けた方の骨密度に相当する部位です。 骨塩量で0.7あたりにある破線は、これ以下だと骨粗鬆症に相当するという、目安です。 左下の表には,測定部位別のBMD(骨塩量)、 T値、Z値が表示されています。重要な所です。 T値:標準となる32歳位の若年成人女性の平均骨塩量[young adult mean:YAM]と比較して、測定値を偏差値と%で表示したもの。 Z値:検査を受けた方と同年齢・同性者と比較して、測定値を偏差値と%で表示したもの。 右上の1/4は測定日時、患者氏名、身長、体重、性別、ID番号などの「識別情報」が書かれています。 次の右上2/4は左図の脊椎骨のイメージにしたがって測定した測定部位、脊椎面積、骨量、骨塩量を表示しています 次の右上3/4には、測定日、患者さんの氏名、身長、体重などが入力されています。 |
![]() 左下が結果です。
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原発性骨粗しょう症の診断基準
骨粗鬆症の定義である骨塩量の減少、骨微細構造の崩壊(ほうかい)、骨脆弱性(ぜいじゃくせい)の亢進、易骨折性の増加というすべての条件をみたす診断方法はまだ達成されておりません。そこで骨塩量を指標とした診断基準が提案されています。
骨塩量測定は4ケ月に1回なら、保険給付の対象となっています。治療経過の指標としてください。
はくざん通信5号、6号にも「骨粗鬆症について」の記事があります。参考にしてください。
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