はくざん 通信 第6号 2001.3.21 ホーム はくざん通信の目次に戻る
(1)腰痛、背部痛などの疼痛に対する対症療法
@安静
A消炎鎮痛剤、筋弛緩剤
Bコルセットなどの装具療法
C温熱療法を主とする理学療法
D体操・運動療法
急性期は安静が必要ですが安静や装具療法の長期化は骨への荷重負荷を減少させ骨の粗鬆化を助長、筋力低下を招くので、早期に離床あるいは装具を除去し、体操・運動療法へ持っていくことが重要です。その時期は臨床症状やレントゲン所見により異なりますので専門医の判断を仰ぐ必要があります。
(2)骨量維持・骨量増加を目的とする薬物療法
薬物療法には次のようなものがあります。
@カルシウム製剤
高齢者は腸管の吸収能が低下しているのでカルシウム摂取量を増やしても効果がないことが多く他の薬剤を併用します。
A女性ホルモン製剤
閉経後は急に骨量が低下します(閉経後骨粗鬆症)。女性ホルモンの減少によるとされており、欧米や婦人科では女性ホルモン製剤が良く使用されますが、性器出血、乳腺肥大、子宮癌発生等の危険性が高くなります。乳癌、子宮癌、血栓性静脈炎などの病気にかかった方は使用できません。
Bカルシトニン(製品:エルシトニン、エルカなど)
骨の吸収を抑制します。特に閉経後に生じる海綿骨の骨量減少を抑制します。また鎮痛作用もあることより腰痛・背部痛を伴う老人の骨粗鬆症に良く使用され、骨量増加 作用が証明されています。骨折発生抑制効果も認めています。
Cイブリフラボン(製品:オステン、イブリプラストなど)
女性ホルモン様作用があると言われており、骨吸収を抑制し、長期使用により骨量改善効果があります.
DビタミンD (アルファカルシドール、製品:オステンなど)
腸管からのカルシウムの吸収を促進します。
Eエチドロネート(ダイドロネル)
骨吸収抑制作用があります。
FビタミンK2(製品:グラケー)
骨形成促進作用と骨吸収抑制作用の両面より骨の代謝の不均衡を改善すると言われています。心筋梗塞や脳梗塞、血栓症などで抗凝固療法を受けている方(ワーフアリン服用中の方)は、同時内服すると抗凝固作用が減弱するので注意する必要があります。
骨粗鬆症の合併症は骨折です。好発部位は背骨、股の付け根(大腿骨頸部)、手首(とう骨)、肩(上腕骨)です。前2
者は長期臥床を余儀なくされるため、心肺機能低下が発生、生命的予後にも影響し、ボケ(痴呆)の要因ともなります。自らの生活の質のみならず、その介護、医療を考えますと社会的損失も極めて大きいことになります。

適度な運動(骨にストレスを加えること)は骨量の減少を予防してくれます。また日本人はカルシウムの摂取量が少ない(500mg
程度)ため、積極的に摂取を増やす必要があります。
骨粗鬆症の三大予防法は
(1 )栄養、とくにカルシウムの摂取
(2)適度の運動
(3 )危険因子(アルコールやコーヒーの過度の摂取、過度の喫煙、ストレスなど)の除去
ですが、若年壮年期(30 歳代まで)に、骨量をその人が獲得し得る最大骨量まで高め、維持していくことが最も重要であることを考えますと
@青年壮年期に最大骨量までに増やすための予防法
A閉経後の骨量減少を抑えるための閉経前後の女性に対する予防法
B高齢者に対する転倒防止などを中心とした予防法など
となります。
(1 )栄養(カルシウム)の摂取、
(2 )適度の運動、
(3 )危険因子の除去
上記は、これらいずれにも共通する予防法でありますが、高齢者の場合合併症予防としての転倒の防止には特に注意し、バリヤフリー(段差や手すり、着衣などに配慮)の生活環境を整えることも重要であります。
高齢者の転倒の要因の一つに筋力の弱化があり、筋力の維持・強化も重要です。
日光浴は、皮膚でビタミンD をつくりますが、日陰で20 分ほどでよいと言われています。
【運動編】:リハビリから (飯星雅朗)
転倒防止のために筋力増強は有効です。運動といっても、過度に行う必要はありません。散歩やゲ−トボ−ルなどの軽い運動を毎日30
分ほど、無理なく行うことから始めましょう。
関節痛などで、歩行の困難な高齢者の方には、温水プール浴(水中で歩く、はずむ、体を曲げたり、伸ばしたりする)も有効です。
【食生活編 】:栄養士から (下田久美・谷川智子)
カルシウムをたくさんとろう
カルシウムの多い食品:
乳製品(ヨーグルト、牛乳)、
魚類(いわし丸干し、ししゃも)、
大豆食品(豆腐、納豆)、
野菜類(小松菜)、
種実類(ごま)、
ビタミンDをたっぷりとろう
ビタミンDの多い食品
魚類(かつお、にしん、うなぎ)
きのこ類(黒きくらげ、干し椎茸)
ビタミンK2 を含んだ食品も積極的にとろう
ビタミンK 2 を多く含んだ食品
納豆
クロレラ
栄養バランスの良い食事をとろう。
良質のタンパク質(多種類のアミノ酸含)を忘れずに。 カルシウムを体内で有効に骨形成に利用するためには、アミノ酸組成にすぐれたタンパク質の摂取も重要です。
