はくざん 通信 第5号 2001.3.21 ホーム はくざん通信の目次に戻る
はじめに
骨粗鬆症とは骨に『す(鬆)』が入ったように「すかすか」になり、支持性が失われる状態であり、年齢とともに進行し、最後にはからだを支えきれなくなり、容易に骨折が起り易くなる病気です。
平成12 年度の全人口に占める高齢者の割合は17%(2000 万人)を突破、 骨粗鬆症の患者は増加の一途(1000
万人以上)をたどっています。
閉経・ 老化→骨量減少→骨粗鬆症→骨折→痴呆あるいは寝たきり
という図式は容易に想像されます。
せっかく長生きをしても、寝たきりでは何にもなりません。そのためには骨粗鬆症にならないようにすることが大切になってきます。
適切な生活指導、予防・治療を行なうことにより、骨量を増加させ、合併症を防ぎ、生活の質を高めることができます。骨粗鬆症治療の究極の目的は骨折を免れ得る骨量に改善することであり、そのためには皆様方自身が骨粗鬆症に対する正しい知識を持ち、自らの努力を怠らないことが重要です。
“骨粗鬆症とは、骨の量が減少、骨梁 {骨の中の支柱(ハリ)} や骨皮質が弱くなり軽微な力でも骨折を起こし易くなった状態”です。骨は外側の骨皮質とその中の海綿骨からできていますが、骨皮質はその密度が減少し薄くなっており、また海綿骨も骨量の減少とともに、骨梁が切れたり、微細な骨折を起こしたりしています。
骨量を測定するには色々な方法がありますが、骨量が若年成人平均骨量(20 歳代〜 40 歳代前半の平均骨量)の70 %以下になった場合骨粗鬆症と言います。また骨粗鬆症の予備軍として8 0%以下(70 〜 80 %)を骨減少症といいます。
様々なレントゲン写真、放射線や超音波を利用した骨量の測定などが行われます。血液検査では明らかな異常を認めないことが多く、血液中のカルシウム濃度や骨に由来するアルカリフォスファターゼ活性などに明らかな異常が認められる場合は、骨粗鬆症以外の骨疾患を疑う必要があります。

年代 発生頻度%
60 − 64 45
65 − 69 50
70 − 74 55
75 − 79 60
80 歳以上 65

1)骨量減少における老化因子
@閉経(女性ホルモンの喪失)、早期閉経 婦人科手術による骨吸収の進行
A腸管機能の退行(低下)によるカルシウムの吸収低下
2)生活環境・習慣
@喫煙
Aアルコールの濫用
Bカルシウム摂取不足、過度のダイエット
C事務系職業
D運動不足や急激な過度の運動
3)遺伝的素因
@女性ホルモンやビタミンD 受容体など
A人種差:アジア系は骨量が低い
B性差:女性に多い
C低身長、痩せ:発症しやすい

1 )初期:自覚症状はなく、知らない間に進行し骨折が起こりやすくなります。
2 )一般的症状:背部痛、腹背部の倦怠感、動作時の腰背部痛、安静時痛、背骨の変形、 骨折、身長の短縮など
痛みは軽度で慢性のことが多いが骨折を起こすと激痛となります。

1 )レントゲン撮影(脊椎または大腿骨頸部)
骨量が30 %以上減少すると専門医(整形外科医)はレントゲン写真だけで骨粗鬆状態を読み取ることができます。
(参考)脊椎レントゲン像による骨粗鬆化の判定
T度:縦の骨梁(すじ)が目立つ
U度:縦の骨梁(すじ)が粗となる
V度:縦の骨梁(すじ)が不明瞭となる
2)骨量測定法
@レントゲン測定法
腰椎や股の付け根(大腿骨頸都)の骨量を
計ります。信頼度(精度)が高く一番良く
利用されています(下図)。
【成尾整形外科病院に設置】脊椎で測定(左下図)
腰椎の骨量測定に必要な時間は5 分程度。
服を脱ぐ必要もなく痛みもありません。
【水上温泉診療所に設置】かかとで測定(右下図)

A超音波法
病院によっては超音波による測定をおこなって
いるところもあります。精度はやや落ちます。